嫁はんが死産した時の話

2020年1月に第一子が死産になった夫側の日記。

いのちは輝く わが子の障害を受け入れる時

今回の死産の原因は染色体異常21トリソミー(ダウン症)の可能性が高いとのことだった。

 

 

 

Wikipediaによると21トリソミーの場合80%は流産や死産、出生できる確率はわずか20%だそう。

 

 

 

今現在、世の中に生きているダウン症の人達はその20%の人達。

 

 

 

すごい人達なんだなと思った。

 

 

 

「いのちは輝く わが子の障害を受け入れるとき」にはNIPT(新型出生前診断)の話が出てくる。

 

 

 

10週くらいから可能で主に染色体異常の確率を調べる検査。陰性の場合な99%正確らしい。これで陽性の場合には羊水検査や絨毛検査を行い確定する。

 

 

 

存在は知っていたが、もちろんそんな事他人事思っていたし費用も高いので検査は受けなかった。

 

 

 

しかし私たちの娘は染色体異常が原因で胎内で死亡し死産という最悪の結果となった。

 

 

 

もし、10週位の時にNIPTを受けていて染色体異常の確率が高いと出て、羊水検査、絨毛検査で確定がでていれば私たち人工中絶という選択をしていたのか?していないのか?

 

 

 

そんな事はわからない。

 

 

 

でももし次があるとするならば、どうするかは夫婦で話し合わなければならない。

 

 

 

NIPTを受けるという人はもし染色体異常が見られたら「今回は諦める」と決めている人が多いと思う。

 

 

 

なぜなら染色体異常があっても関係なく産みたいと思っている人はわざわざ高いお金を払って検査を受けるとは考えにくい。

 

 

 

「2 0 1 3年 4月から 2 0 1 8年 9月までに 6万 5 2 6 5人が新型出生前診断を受けました 。検査で陽性 ( =異常 )だった人は 1 1 8 1人 。羊水穿刺などの確定検査で染色体異常が否定されたケ ースを除くと 、その数は 1 0 7 6人 。胎児が子宮内で死亡した症例が 1 8 7例ありました 。これらの子宮内胎児死亡を除外した 8 8 9人のうち 、妊娠中断を選択した人は 8 1 9人に及んでおり 、その割合は約 9 0 %にのぼっています 。妊娠を継続した妊婦は 、わずか 3 6人です 。約 4 %に過ぎません 。」

 


—『いのちは輝く わが子の障害を受け入れるとき』松永正訓著

http://a.co/iDiif9M

 

 

 

この90%の妊娠を中断した人達の理由はそれぞれあると思う。

 

 

 

私たちは死産という経験をしたことで「二度と同じ悲しみを味わいたくない」という理由でNIPTを受けるつもりでいる。

 

 

 

死産にはいろいろな原因があって染色体異常以外にも可能性がある事は十分理解している。

 

 

 

染色体異常は21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーが全体の7割を占めている。

 

 

 

18.13トリソミーの場合は重症のケースが多く、胎内死亡になるか産まれてきても長くは生きられない可能性が高いらしい。

 

 

 

21トリソミーの場合は他の染色体異常に比べると予後は良好で平均寿命も50歳〜60歳程度と言われている。

 

 

 

もし染色体異常が陽性だった場合私たちはどうするのかを決めなければいけない。

 

 

 

実際その時になってみないとわからないのだろうが、一つだけ言えることは最初の目的を見失っては行けないということ。

 

 

 

私たちがNIPTを受ける目的は「二度と同じ悲しみを経験しない為」である。

 

 

 

「障害があるから諦める」ではない。もし21トリソミーでも無事に産まれて来てくれてればいいと思っている。

 

 

 

「元気なダウン症の子」だったらいい。

 

 

 

しかし前述した通り、21トリソミーの出生率は20%程度である。

 

 

 

NIPTを受けて、もし次のわが子が21トリソミーと診断され場合、20%という微妙な確率に掛けて妊娠を継続するのか、諦めて中断するのかは今の段階ではわからない。

 

 

 

今できる事はそうなった時の想像をしておくこと。

 

 

 

私の意見は、21トリソミーと診断されても胎児の状態によっては諦めずに妊娠を継続して欲しい思っている。

 

 

 

しかし私は自分の意見は通らなくてもよくて、嫁の意見を尊重して、嫁の希望が絶対だとおもっている。

 

 

 

もちろん一番いいのはその時の私と嫁の意見が一致する事。

 

 

 

一致しなかった場合は、嫁の意見が正しくて私の意見が間違っている。それは決定事項で絶対に揺るがない。

 

 

 

決して責任を押し付けているという訳ではない。

 

 

 

産む、産まないを最終的に決定できるのは女性であって女性が選択した選択肢が絶対に正しくないといけない。

 

 

 

正しい方を選択しなければいけないのではなくて、夫婦で選択した方を正しくしていかないといけないという事。

 

 

 

 


最終的に最悪の結果になってしまったとしてもそれが最善だったと思わないといけないし、決して後悔などしてはいけない。

 

 

 

それが宿ってくれた命に対してのできる事でもあるし、当事者がその後悲しい出来事からたちなおり、幸せなっていく為に必要な事だと思う。

 

 

 

この本の著者も言っていたが、安易な気持ちでNIPTなどの染色体異常検査は受けない方がいい。

 

 

 

受ける場合は、はじめに受ける目的をはっきりさせてから受けるべきと私は思う。